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G.17.2.1.2 P-デルタKg解析

STAAD.Proでは、全体剛性マトリックスと全体幾何剛性マトリックスの組み合わせ[K+Kg]によってP-デルタ効果を解析に取り入れる代替のプロシージャが採用されています。

  1. まず、与えられた外荷重に基づく静的線形解析によって、主要なたわみが計算されます。
  2. 主要なたわみは、メンバーの軸力とプレート中央の膜応力を計算するために使用されます。これらの力と応力は、幾何剛性項を計算するために使用されます。Largeデルタの効果とSmallデルタの効果の両方が計算されます。これらの項は、全体剛性マトリックスKに加えられるKgマトリックスの項です。   

    P-デルタ効果を正しく考慮するために、横方向荷重は鉛直荷重と同時に与えられる必要があります。REPEAT LOAD機能(「TR.32.11 繰り返し荷重の設定」参照)は、この要求を念頭に置いて作成されました。ユーザーは、この機能により、事前に定義された主荷重ケースを組み合わせて新しい主荷重ケースを作成することができます。

このプロシージャでは、小さな変位の問題に対してかなり正確な結果が得られます。STAAD.Proでは、ユーザーがこのP-Delta-KGプロシージャの複数の反復を指定できるようにしています。ただし、ほとんどの場合、1回の反復で十分です。

P-デルタ解析は、ACI 318、LRFD、IS456-1978などの複数の設計コードで、より現実的な力とモーメントの計算のために、モーメント割り増し法の代わりに推奨されています。

P-デルタ効果は、フレームメンバーとプレート要素のみに対して計算されます。ソリッド要素に対しては計算されません。

P-デルタ解析では、座屈を許容するので、最大変位を確認する必要があります。大変形領域を見るには、崩壊前の解を得るために、反復を1~5回だけ解析を繰り返すか、または静的ケースとして解析を繰り返すことが必要な場合があります。  

また、座屈は負であることが確定したマトリックスによって解析に失敗する場合があります。この場合、メッセージがプリントされ、そのケースの結果はゼロにセットされます(この場合は、代わりにPDELTA 30 ANALYSIS SMALLDELTAを使用して解析を繰り返してください)。